静岡県浜松市にある花浅葱-はなあさぎ-は、
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「和」のテーブルコーディネート教室です。

花浅葱のひとりごと

花浅葱の日常

上巳の節句

2023年3月2日

こんにちは、浜松市の「和」のテーブルコーディネート教室・花浅葱です。

明日、3月3日は雛祭りですね。私は早々に『上巳の節句』の講座を終えてしまったので、なんだか気分的には終わっています。本来は旧暦の3月3日なので、4月です。今年は旧暦では閏年にあたるので、4月22日が雛祭りの日となり、かなり遅めのおひなさまです。 

五節句の1つの雛祭りは、桃の節句、上巳の節句と言われますが、由来はもちろん古代中国です。
上巳の節句と言われるのは、旧暦の3月の最初の巳の日という意味なのですが、必ず3日が上巳の日であったわけではありません。しかし、3世紀の中国の三国時代にはすでに3月3日と固定されていて、どうしてそのようになったかは、その時すでにわからなかったようです。

節句はもとは邪気を祓い健康長寿を願うためのものでした。

中国で桃は古来より鬼が嫌い、邪気を祓う力があると信じられていました。また、西王母という仙人の庭の三千年の桃は不老長寿の実であるとも言われていました。

本来、上巳の節供は、3月3日に心身の罪穢を水辺で祓い清める『曲水の宴』として伝わりました。

曲水の宴とは、3月3日に水辺の桃の木の下で禊ぎをして、酒を飲んだり、野草の汁をいれた餅のようなものを作りこれを食べて邪気を祓ったというもので、『荊楚歳時記』・・六世紀に書かれた中国荊楚地方の歳時記・・にその様子が記されています。

日本でも桃は、伊弉諾尊が桃の実を投げつけて鬼から逃れたり、追儺の儀式で鬼を祓うのに桃の弓が使われたり、桃太郎が鬼退治にいったりと災難を祓う役目を持っています。鬼は邪気で、すなわち昔の人々にとっては疫病のことでした。邪気を祓い健康長寿を願う花であるため、桃が用いられ桃の節句と言われる一つの要因であったのでしょう。

上の写真は袋井市の可睡斎のお雛様、下は先日、京都のホテるのロビーにあったお雛様です。やはり、いくつになっても華やかで、お雛様はいいものですね(#^^#)

追伸、節供は宮中の行事を表し、節句は江戸幕府によって定められた五節句のこと

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